Written by TSUYOSHI

【経験談】無料で通える! Web制作の職業訓練を受講するメリット・デメリット

WORK

本記事では、失業した際に、Web制作系の職業訓練校に通うことのメリット・デメリットについて解説します。

この記事を書いている僕は、実際に東京都の職業訓練学校に通い、そこで未経験からWeb制作のコーダーの仕事に就いて、現在はフリーランスのフロントエンドエンジニアとして仕事を続けることができています。

▼僕の経歴

Web制作が未経験 → 職業訓練校(6ヶ月) → Web制作会社へ就職(1年半) → フリーランスのエンジニア

本記事を読むことにより、職業訓練を受けることのメリット・デメリットが分かるようになり、職業訓練を検討する材料になると思います。

職業訓練学校に通うメリット・デメリット


職業訓練は、基本的には失業している時に都道府県のハローワーク経由で申し込みができます。仕事を探している求職者が再就職をするために受講するためのものであるため、失業中であることが通常は条件になります。

職業訓練校に通っても全員がWeb制作の仕事に就けるわけではないですが、僕が思う職業訓練校のメリット・デメリットを実体験からお伝えします。

職業訓練学校に通うメリット

カリキュラムの受講料金が無料

失業中の求職者が応募するもので受講料は無料になります。Web制作の職業訓練を受講できる場合、プログラミングスクールに通うと50〜70万円程度がかかることを考えると無料でプログラミングを学べるのはかなり凄いことだと思います。

カリキュラムが豊富で自分の目的にあったカリキュラムを受講できる可能性が高い

カリキュラムは3ヶ月・6ヶ月のコースが多いと思います。IT系だと僕が受講した「Web制作」や、「Webデザイン」に特化したコース、「ネットワーク・インフラ」コースまであります。他にも簿記やファイナンシャル・プランナーのコース、飲食業に関するコースなど様々な職業訓練があります。

失業給付金をもらいながら学習することができる

大きなのメリットのひとつなのが、失業給付を受けている人ならば失業給付金をもらいながら職業訓練を受講できる点です。人によって条件が異なりますが、例えば90日しか給付期間がない場合に6ヶ月の職業訓練を受けると6ヶ月間の失業給付を受けることが可能だったりします。

また失業給付は自己都合による退職の場合は最初の3ヶ月は待機期間があると思いますが、職業訓練が開始される月から給付が始まるメリットもあります。

ひとりではなく、一緒に学ぶ仲間ができる

一長一短かもしれませんが、周りに一緒に学ぶ人がいるため、継続して学習しようという意欲が湧き、モチベーションの継続がしやすいと思います。

ただし時間の経過とともに、学生時代の学校のような雰囲気になってきて和気あいあいとしてしまうことがほとんどだと思う(実際に僕が通っていた職業訓練校もそうでした)ので、危機感が薄れるとよくないかもしれない面があると思っています。

幸い僕の場合は、40歳手前で背水の陣だという認識で臨んでいたため、日々の自己学習も全くサボらず、しっかりと学習できていたと思います。

自己学習によって成功への確率を上げることができる

職業訓練校に通うと教えてもらうことももちろんですが、授業は夕方には終わるため、その後の時間も学習時間がたっぷり取れることが大きなメリットとなります。

仕事をして帰ってくると疲れて独学するのは大変だと思いますが、職業訓練校の場合は基本的には授業を受けるという受け身であるため、それほど疲れるということはなく、帰宅してからもしっかり学習ができるので、ここはかなりよかったと僕自身も振り返って思うところです。

僕はもともと、職業訓練校の授業がダメ(講師や授業内容がよくないかもと思っていた)であっても自己学習のみでも、絶対に就職するという意気込みで入りました。実際には講師が素晴らしく、授業内容も素晴らしかったので、しっかりとした知識を身につけられたと思っています。

意外と実践的で役に立つ

先ほどお伝えしたとおり、公的な機関が運営するものなので質を期待していなかったのですが、僕が受講した都の職業訓練は素晴らしいカリキュラムでした。

民間から公募した人を講師にするため、これが質の高い授業につながっていると実感しました。カリキュラムの講師次第のところはありますが、受講終了時にアンケートも取っているため、評判のよい講師はまた採用されると思いますし、もし質の悪い講師がいた場合は再任されないと思うので、このあたりもよい循環ができているのだと思います。

職業訓練学校に通うデメリット

倍率が高く、職業訓練校に入れるかわからない

職業訓練校はカリキュラムによって倍率が変わります。特にWeb制作などIT系のカリキュラムは人気が高いため、受講できるかどうかは選考次第になります。事前の見学会で過去の倍率を聞いたりして、どこのカリキュラムを第一志望にするかなどの戦略を立ててもよいかと思います。

講師によって差がある可能性がある

講師は民間から公募で募集して採用するため、精査された上で選別されるため多くの場合は問題ないと思いますが、場合によっては、もしかするとあまりよくない講師が担当になってしまうかもしれません。分野によるかもしれませんが、そういった場合は自己学習でカバーして就職への道を切り開くしかないかもしれません。ただ基本的には、よくない評判の講師は少ないと思います。

1度、職業訓練校に通うと1年間以上の期間が開かないと再度、職業訓練を受けることはできない

あまり問題にはならないと思いますが、一度、職業訓練を受講すると受講終了から、1年間以上の期間が空かないと再度、職業訓練は受講できない仕組みのようです。普通は就職したらしばらくは働くと思いますし、再度失業して職業訓練を受けるという人も少ないと思うので問題になることはほぼないかとは思います。

全過程を受講して卒業できても、必ずその分野の仕事に就けるわけではない

今回、僕が受講したWeb制作を例に取ると、どれくらいマジメに授業を受講するかは人によって変わってきます。これはやっていくうちに難しくなってきて挫折するなど、好き嫌いの問題もあります。

全員に聞いたわけではありませんが、卒業した同期の就職先を見てみると、完全にWeb系のエンジニア・デザイナーで就職した割合は2〜3割、残りは前職と同じ分野で再就職という方が多かったようです。前職と同じ分野で再就職した場合もWeb系の仕事を少し任せてもらえるような仕事だったりと、職業訓練で学んだことを活かして再就職している人が多いように思えました。

全員が完全に学んだことを活かせる職に就けるわけではないですが、何かしらのプラスになることは多いと思います。

出席率8割を下回ると強制的に退校となる

職業訓練校は出席率を重視しており、毎月審査していて、出席率が8割を下回ると強制的にその時点で退校となります。

ちなみに就職の面接を受ける場合のみは例外で、面接先の面接官に書面の記載をして証拠を残せれば、出席扱いにできます。また遅刻も、遅刻◯回で1回欠席というようなカウントをしていました。体調不良などの欠席は普通に欠席扱いにあたります。

退校になっている方の例を上げると、子供が3人くらいいる主婦の方でした。
子供が熱を出して休む、子供が熱を出して途中で子供を迎えに行くために早退するということを繰り返して、受講期間の半分を超えたくらいで出席日数が足りなくなり、退校となっていました。子供がたくさんいらっしゃる方はこういう風に大変なのだなと改めて理解しました。

また、これは仕方ないのかもしれないと思いました。どれを出席扱いにするかなどの判断基準を入れると恣意的な運用ができてしまいますし、実際問題として8割以上の出席ができないと授業についていけなくなるので、職業訓練を受ける意味が薄くなってきてしまします。特にWeb系の授業はそれぞれの授業がつながって理解できるものだったりするので、尚さらです。

お子さんがいる方は職業訓練校を受講する時にこのあたりも考慮してカリキュラム(受講できる学校の地域や場所・期間など)を選ぶとよいかもしれません。

タイミングが合わないと希望するカリキュラムがない

カリキュラムも数ヶ月に1回しか開始されないコースや、毎月のように開始されるコースがあり、需要などによって変わります。僕が受講したWeb制作のコースも2〜3ヶ月に1回くらいしかなくタイミングなので運も必要になってきます。タイミングが合わないと希望のカリキュラムを受講できないというデメリットがあります。

職業訓練校で希望のカリキュラムを受講するポイント

東京都の職業訓練は近隣の県からも受講が可能な場合が多い

僕が通っていた東京都の職業訓練は東京都に住んでいなくても受講できたようで、千葉・埼玉・神奈川の地区から通っている人も半数くらいいました。希望する職業訓練のカリキュラムがなければ、都内近郊の地域に住んでいる方は、東京都の職業訓練も探すとよいと思います。

東京都の職業訓練は、カリキュラムの数や募集が多いと近隣の県から来ていた人たちはよく言っていて、東京都の職業訓練を受ける近隣県民の人は多いようです。おそらく関西など他の地域でもこういったことはあると思うので、都市部でなくても通えるなら、都市部の職業訓練が受講できないかを確認してみてもよいと思います。

ハローワークで職業訓練について聞くと、このあたりの情報は出てくると思うので早めに問い合わせしておくのがよいかと思います。

まとめ

職業訓練校に通うメリットとデメリットについて、僕の体験談からまとめてみました。

職業訓練学校に通うメリット

  • カリキュラムの受講料金が無料
  • カリキュラムが豊富で自分の目的にあったカリキュラムを受講できる可能性が高い
  • 失業給付金をもらいながら学習することができる
  • ひとりではなく、一緒に学ぶ仲間ができる
  • 自己学習によって成功への確率を上げることができる
  • 意外と実践的で役に立つ

職業訓練学校に通うデメリット

  • 倍率が高く、職業訓練校に入れるかわからない
  • 講師によって差がある
  • 1度、職業訓練校に通うと1年間以上の期間が開かないと再度、職業訓練を受けることはできない
  • 全過程を受講して卒業できても、必ずその分野の仕事に就けるわけではない
  • 出席率8割を下回ると強制的に退校となる
  • タイミングが合わないと希望するカリキュラムがない

ご参考になれば幸いです。

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