Written by TSUYOSHI

30代でも必要とされるエンジニアになるためには? フリーランス転向を考える

FREELANCE WORK

システムエンジニアで将来が不安な人「30代後半になったら会社に必要とされなくなるのではないか。フリーランスになるべきなのか。」「30代以降も仕事を続けたいが転職は可能なのだろうか。」

こういった疑問にお答えします。

本記事の内容

  • 日本における「SE(システムエンジニア)」と「プログラマー」の違い
  • SEとフリーランス、正社員とフリーランスの特徴を比較
  • プログラマーなら30代以降も安定的に稼ぎ続けられる可能性が高い

この記事を書いている僕は、システムエンジニアとしてSIer企業に勤務していた経験、IT業界で営業の経験、Web系プログラマーとして正社員・フリーランスの経験があります。
自身だけでなく多くのエンジニアと接してきた経験から、僕が思うエンジニアの進むべきキャリアをお伝えします。

日本における「SE(システムエンジニア)」と「プログラマー」の違い


日本のSIerを中心とした業界でエンジニアは「SE(システムエンジニア)」と「プログラマー」2種類に分かれています。

昔は「プログラマー」は「SE」の下で設計に沿ってプログラムを書くポジションで、SEの方が上という認識でした。
年収を上げたり、年齢が上がっても続けるにはSEとしてマネージャーになるということが良い道とされてきました。

なぜこのように考えられていたかというと、主に大規模なIT開発については、日本独特の仕事の流れがあるためです。

・IT土方と言われる大手企業が一手に開発を受注する。
 ↓
・上位の会社は仕様設計のみを行ってプログラムなどは一切書かず、下請けにどんどん丸投げで下ろしていく。
 ↓
・末端の下請け企業のエンジニアが仕様書通りにプログラムを書く。

「プログラマー」は「SE」よりも下という風潮は、このような文化が成り立っていることに起因します。
仕様を決めてそれに従って作る手法はウォーターフォールと呼ばれています。

建設業に似たような構図ですが、以前はこれで問題ありませんでした。
しかしITが社会全体に浸透していくにつれ、このウォーターフォールと呼ばれる開発手法では開発スピードが遅く、無駄が発生するため、無理が生じています。
国内の大きいシステムなどは未だにこの手法で開発が続いています。仕様変更に弱いので問題が発生してもすぐに対応できないことが多いです。

それに比べてシリコンバレーなど海外の有名なIT企業は、コードを実際に書く「プログラマー」が主導となって開発・仕様設計を行い、スクラップ&ビルドを繰り返しながら高速で開発していくという方が主流になっています。日本でも最近はこちらの方が主流になってきています。

以前は「プログラマー」は「SE」の下と見られていましたが、現在は2極化が進んでいると感じます。

・大手が請け負うIT土方の仕事では従来どおり、SEが仕様を書いて下請けのプログラマーが開発をする
・サービス開発をする仕事などでは、プログラマーが中心となって開発と仕様設計を行い、世の中の情勢に合わせてスピーディーに変化・対応していく。

プログラマーとして同じように見えますが、仕様通りに作るプログラマーと、ユーザーのことまで考えてプロダクトを作り上げるプログラマーでは同じ経験年数であっても技術力などに開きが出てくるはずです。

SEとフリーランス、正社員とフリーランスの特徴を比較

これらのエンジニアを3つに分類することができます。

・コードを書けるSE(主に仕様設計をするゼネラリスト)
・コードが書けないSE(主に仕様設計をするゼネラリスト)
・プログラマー(コードを書き仕様設計もするスペシャリスト)

30代になり年齢が上がるに連れ、「コードが書けないSE」はコスパが悪く真っ先にリストラされます。そして「コードを書けるSE」でも徐々にリストラされるのを僕は見てきました。SEであればフリーランスはかなり厳しい世界となるため、年収を落として転職するのが第一候補かと思います。

プログラマーだと逆にフリーランスになることによって年収が上がることが多くなると思います。

僕の経験から言える、SEとプログラマー、そして正社員とフリーランスでの違い・特徴は以下の通りです。

SE(ゼネラリスト)で正社員

  • 年齢と共に年収は高くなる。
  • 転職は可能だが、30代を超えてくると一部の人を除き、一般的には年収の維持は難しくなる。
  • 年収を上げるには部長などの役職ポジションを目指し、椅子取りゲームに勝ち続けるしかない。
    ※役職ポジションは数に限りがあり競争に勝ち抜かなければならない
  • 技術においては、その企業でしか使えない技術だと他社で通用しづらくなるので気をつけなければならない

SE(ゼネラリスト)でフリーランス

  • 技術力がなくマネジメントしかできないSEは基本的にフリーランスとしての需要はない。
  • コードを書けて技術力があり、マネージメントができるSEであれば、フリーランスになることは可能。
  • 主な仕事はマネジメントなので、案件数は少なくなるが、専門性を活かして仕事は取れる。
  • 年齢と共に専門性が求められる。
  • コンサル出身者などもおり、競争は激化

プログラマーで正社員

  • リーダーのポジションだと、プログラムを書きつつ、下にメンバーが増える。
  • メンバーポジションなら、リーダーのもと経験を積み、いずれはリーダーとなる。
  • 技術力さえ見についていれば、仕事はいくらでもある。
  • フリーランスに途中で転向することも可能。

プログラマーでフリーランス

  • 年齢と共により専門性・経験が求められる
  • 年齢とともに案件数は少なくなる。技術力が低いと単価が上がらなくなる。
  • PMだと案件数は減るが報酬が高額になる。より専門性が必要となる。年齢は関係ない。
  • リーダークラスだとある程度の経験や技術力が必要。
  • 即戦力として1人でも対応ができれば、仕事はあり、年齢は関係ない。

マインドマップにまとめると以下のようになります。

これらを比較してみると、以下のような特徴があります。

SE

・SEは年齢と共に上のポジションに上がっていかないと年収が維持できなくなっていきます。
・フリーランスになったとしても、専門性がなければやっていくのは厳しくなります。
・技術がマニアックすぎると他社で通用しなく経験が無駄になる可能性もあるため、仕事内容を選ぶ必要があると個人的には思っています。

プログラマー

・プログラマーであれば既にプログラミングという専門性があるので、食いっぱぐれはないかと思います。
・年齢と共に求められる専門性や経験値はありますが、一度プログラマーになれば、自然と積み上がっていきます。
・フリーランスになれば収入が上がり、スキル次第で年齢に関係なく続けられます。

プログラマーなら30代以降も安定的に稼ぎ続けられる可能性が高い


総合的に考えると、プログラマーとしてであれば30代以降でも安定的に稼ぎ続けることができるのではないでしょうか。

SEの場合は年齢が高くなって高給になるほど、マネジメントしかできないと、雇う側としては仕事内容と年収が釣り合わなくなるため、リストラの対象になりやすいです。実際に知っている話では、年齢が高くなると地方に出向を命じたり、密かにリストラをして、若くて給料が安いPMに仕事を任せるということを繰り返している企業もあります。

もちろん、プログラムコードを書く能力があり、専門的な知見やコードレビューができるなど、コストに見合うよいパフォーマンスを出し続けられる人材であれば、SEとしてもやっていけるはずです。

個人的にはプログラマーとして働いていく方が選択肢が多く、メンタル的に心が安定して仕事を続けていけると思っています。
まだ30代くらいであれば、ゼロからプログラマーを目指すことも可能だと思うので、SEをやっていて将来が不安なのであれば方向転換するのもありだと思います。

実際にこの記事を書いている僕も、
「システムエンジニア」 → 「IT系の営業」 → 「プログラマー」
と転向しており、30代後半でも努力さえすればプログラマーになれると断言できます。

プログラマーへの転向については記事を書いているので参考にしてみてください。
» 未経験からフリーランスのエンジニアになって案件を獲得する方法
» フリーランス エンジニアのなり方 【プログラマーが初めて独立するタイミング】

まとめ:プログラムも書けるエンジニアを目指さないと厳しくなっていく

SEだと年齢が上がるにつれて生き残るのが厳しいというのが現実だと思います。プログラマーであれば技術力があれば、年齢に関係なく仕事をとってやっていけるはずです。
そのため、SEで将来が心配ならば今からでもコードが書けるエンジニアに転向すべきだと個人的には思っています。

ご参考になれば幸いです。

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