Web制作会社でよくあるエンジニアの顧客サポート対応
本記事では、Web制作会社に入社した後に、コーダー(Webエンジニア)は制作以外の顧客サポートをする場合もあり、どういったことを対応するのかについてお伝えします。
この記事を書いている僕は、エンジニア歴が約4年で、中小のWeb制作会社で2社ほど働いた経験があります。顧客との直接のやり取りもよく行っていました。
Web製作会社でコーダーはクライアントと直接やり取りする機会は少ないですが、サイト納品後のサポートではたまに直接やり取りする機会が発生することが多いと思います。このあたりの顧客サポートについて解説します。
Web制作会社でよくあるエンジニアの顧客サポート対応
「人とあまりコミュニケーションを取りたくないからエンジニアになった」という人は結構いると思いますが、残念ながら、中小のWeb制作会社に入ると専門のサポート担当というのはいないので、コーダーが顧客と直接やり取りして対応するケースは結構多いです。
Web制作でコーダーなどは基本は社内でのディレクターやデザイナーとのやり取りしか発生しませんが、電話等でクライアントから色々と問い合わせがくることがあります。僕はクライアントからの電話を取り次がれることは結構ありました。もともと営業をしていた経験もあったので、スムーズに対応し、改修の案件を獲得することもあったりしました。
クライアントのサポート対応といってもそこまで重いものは多くないため、どんなサポート対応があるのかをお伝えします。もちろん、会社によって異なり、大きい会社であればサポート専門のスタッフの方が対応してくれるケースもあります。
顧客からのよくある問い合わせ
よくある問い合わせ内容などを紹介していきます。対応の難易度を★5段階で表示してみたいと思います。
メーラーの設定
難易度レベル:★★★
サイト納品から暫く経って、「パソコンを変えたからメール設定を再設定してほしい」「スマホのメール設定をしてほしい」という依頼がくることがあります。
スマホの設定なら、別の固定電話などからかけてもらい電話オペレーションで設定することが多いです。PCの設定だと使っているマシンやメールソフトによって違うため、チームビューアというソフトウェアを入れて遠隔操作で設定することもありました。
このあたりは慣れれば余裕なので、大きな問題になったことはありません。
WordPressの操作についての質問
難易度レベル:★
WordPressの操作がわからないから教えて欲しいという問い合わせです。これについてはディレクターが対応してくれることも多いですが、たまにバグで表示が正常にされていない時もあるため、その際はコーダーが対応することもあります。
JetPackを使ったTwitterやFacebookの連携がおかしい
難易度レベル:★★★
顧客によってはWordPressで記事投稿をすると、連動してTwitterとFacebookに連動して投稿する機能をつけているケースがあると、それが正常に動作しなくなったという問い合わせがくることがあります。多くの場合、TwitterやFacebook連動はJetPackを使っているかと思います。
多くの場合はFacebookのパスワード変更などによる連携が正常にできていないことが多いです。WordPressやJetPackのバージョンアップが必要な場合もあります。これも慣れれば対応の難易度はあまり高くないと思います。
メール投稿が正常にできない
難易度レベル:★★
何年も前にサイトを納品した顧客には、Ktai Entryなどの古いプラグインでメールでWordPressへ記事投稿の機能を提供している場合があります。この顧客からの投稿が正常にできないという問い合わせです。
こういった場合は、最近ではスマホを使えることが多いので、スマホのWordPressアプリからの投稿を案内するようにするとよいと思います。僕がいたWeb制作会社でも実際にそのように対応していました。普段からスマホのWordPressアプリに慣れておくと案内がしやすいと思います。
年に数回程度のサーバートラブル
難易度レベル:★★★★★
メールが送れない、ホームページ表示がされないなどについて、年に1〜2度くらい契約しているサーバー会社のサーバー自体に問題があってトラブルになるケースがあります。(これもサーバー会社の問題というよりはそれ以外の要因による影響が多かったりします)
こういった時のトラブルの顧客対応もエンジニアがやることは多いと思います。ディレクターなどは詳細がわからなく説明できない場合も多いため、エンジニアが顧客対応をやることが多いのではないでしょうか。
契約しているサーバー会社側に問題があってどうしようもない時は、サーバー会社の対応を待つしかないので、状況をウォッチしつつ顧客にはエンジニアからずっと状況説明&平謝りして耐える感じになります。
通常はその日の内に解決できることが多いと思います。
サーバーの移管などを行う場合の事前連絡対応
難易度レベル:★★★★★
サーバーの移管をする時の対応連絡などです。
あまり発生しないと思いますが、数年に一度くらいの頻度で自社で使っているサーバーを変更したりすることがあり、その時のサーバー移管について顧客に周知などするかどうかの連絡です。
メール連絡だけで済ます場合もあれば、重要な顧客には電話での連絡をして、万一の場合に備えサーバーの移管日時を確認することがあります。
多くの場合は、数分間サイトが表示されなくなる可能性を伝えます。またメールの受信について古いサーバに届いていないかなどの監視も必要になってきます。
裏ではサーバのデータは完全に移行するのですが、DBやメールデータなども移行する必要があるので結構手間がかかります。
ちなみに僕は大規模なサーバー移管を経験したこともあり、クライアント企業のサイトが500社入ったデータをひとりで移行したことがあり、夜間に自宅からリモートで移行作業を行い、昼間はサイト制作ということをしていました。1ヶ月くらいかけて毎日対応し、土日対応を希望する企業も多かったので時間が結構かかりました。(残業代も出ない会社だったし、しんどかったのを覚えています…)
ドメイン移管・サーバー移管をミスしたときの対応
難易度レベル:★★★★★
ほとんどありませんが、リニューアル案件で他社からのドメインやサーバー移管がある際などに、ごくまれに予期せぬことが起こり、サーバー移管を失敗してしまうことがありました。トラブルが起こって顧客のサイトが表示されなくなったり、メールが届かなくなるというケースです。単純に自業自得です。
僕が実際にミスをしてしまって顧客に迷惑をかけてしまった例だと、移管元の会社がお名前ドットコムのDNSを使っており、ドメイン移管をしたらお名前のDNSが1週間後に消滅することを知らず、失敗したことがありました。(その後すぐにDNSサーバーの切り替えをしましたが切り替えに半日かかってしまい顧客に迷惑をかけてしまいました)
どんなに気をつけていても、ミスをしてしまうことはあるので、その時は全力で顧客に誤りつつ誠実な対応をすることが大切だと思います。
まとめ
今回はよくある顧客対応(自分のミスも含む)をお伝えしました。
未経験でこれから中小のWeb制作会社に入る人には、コーディングなどの制作業務の他に、どんな対応をするのかのイメージが分かったのではないかと思います。
ご参考になれば幸いです。
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