Written by TSUYOSHI

無料のプログラミングスクールで転職することはオススメできない5つの理由

PROGRAMMING

プログラミングを始めたい人「無料のプログラミングスクールには何かデメリットがあるのかな?」

こういった疑問にお答えします。

この記事を書いている僕はフリーランスのエンジニアとして活動していますが、むかし無料のプログラミングスクールを運営している会社で働いていたこともあります。

本記事の内容

  • 無料のプログラミングスクールをオススメできない5つの理由
  • 無料プログラミングスクールの裏のビジネスモデルを解説
  • 人生を変えたいなら独学で頑張るか、有料のプログラミングスクールに通うべき

結論としては、無料のプログラミングスクールはオススメしません。その理由を述べていきます。

無料のプログラミングスクールをオススメできない5つの理由


無料のプログラミングスクールは多くの場合はよくない結果に終わると思います。

これはビジネスモデルが基本的に、転職に成功すれば企業からキックバックをもらう、転職に失敗すれば生徒から本来払うべきだった授業料を支払わせるというモデルだからです。スクールとしては最優先事項は生徒の意向は無視して企業に入社させることになります。

1. 無料のプログラミングスクールだと転職先の選択肢は少なく選べない

無料のプログラミングスクールはどこでもよいので入社させることが目的なので、転職先の候補が少なく、とにかく未経験でも入れるところに入れる方針になるため選択肢が少ないです。生徒としても就職できなければ高額な授業料を払わなければならないということで、流されて希望しない企業へ就職してしまうことも多いです。

有料のプログラミングスクールはお金をかけている分、しっかりサポートしてくれ、転職先を自由に選べて選択肢も広いですが、無料スクールでは真逆の結果になります。

2. 転職してからの仕事でスキルが身につかない可能性がある

無料のプログラミングスクール経由で就職できる企業の場合、以下のようなことも多い可能性は否めません。

  • エンジニアを客先に派遣して労働力を提供する会社にしか入れない
  • テスターやコードを書かない保守運用の要員などプログラミングができない職種のことも多い

自分次第ではありますが、無料のプログラミングスクール経由で入社するのは、自分で独学の後に転職サイトで未経験可で入れる企業と同じか、それよりも劣るように思えます。

3. 学習内容が自分のやりたい内容ではないことが多い

無料のプログラミングスクールはとにかく企業に労働力として使ってもらいやすい技術を教える傾向があるため、以下のようにやりたいこととは違うものを学習することになる可能性が高いです。

  • プログラミングスキルを学びたいのに、講義内容はなぜかインフラ技術に関してのみ
  • 学べるプログラミング言語を選択できない

プログラミングで成長するには、学びたい言語を学ぶことが重要です。好きなことであれば学習も苦ではなく楽しいと思えて成長できるからです。
好きでもないことを仕事にしても楽しくないですし続かないことが多く、再度、転職という可能性も高くなります。

4. 質問は受付せず「自分で解決しましょう」の一点張り

お金をかけていないので質問に答えられるメンターの数は少なく、質も悪いことが多くなります。無料で受講できるのだからそういったものなのだろうというのは想像できると思います。

有料のプログラミングスクールと比べて、無料のプログラミングスクールではサポートが適当である可能性は高いと思った方がよいでしょう。

5. 無料のスクールは学習意欲が低い人が多くよい環境ではない

学習のモチベーションが低い人が多くなります。有料で受講しているスクールとは必死さが違うので、このあたりも無料ならこんなもんかとなってしまうと思います。

学習のモチベーションは継続するためには重要です。周りが頑張っていないからという理由で自分のモチベーションを下げないよう気をつけなければなりません。逆に有料のスクールだと周りの人が頑張っているから自分ももっと頑張らなければという雰囲気になると思います。

無料プログラミングスクールの裏のビジネスモデルを解説


無料のプログラミングスクールの主なビジネスモデルを紹介します。この仕組を理解すれば、なぜ無料なのか、生徒はどう扱われるのかがわかると思います。

無料スクールの仕組み

無料のプログラミングスクールは3つの方法で収益を得ている場合が多いです。

  1. スクールで教えた生徒を正社員として企業に入社させて人材紹介料としてキックバックをもらうパターン
  2. 就職ができれば授業料は無料として生徒を集め、就職ができなかった場合はスクールの料金を生徒に支払わせて徴収するパターン
  3. 正社員として入社できなかった生徒は業務委託契約(フリーランスとして契約)で、SESとして企業に入れて安く働かせるパターン

1の人材紹介の料金相場は年収の30%です。
例えば年収300万円の人材なら、90万円が紹介した企業(無料のスクールを運営している企業)にキックバックで入る仕組みになっています。年収によりますが、けっこう儲かります。

さらにスクールとしては、2の就職できなかった生徒に授業を支払わせて、さらにその生徒を3の業務委託契約でSESで企業に入れると継続的に儲けることができます。3の場合、業務委託契約なので、企業の面接を受けて入れるまでは生徒側は無収入であり、企業側は支払いも発生しないのでオイシイ状態になります。

SESとは「システムエンジニアリングサービス」のことでエンジニアの労働力を提供する契約で、エンジニアは契約した企業で決められた時間分、働くことになります。

すべてのスクールがこれと同じとは言いませんが、大まかにはこのような仕組みになっています。

損をするのはスクールの生徒

無料スクールの場合、生徒が就職しても就職できなくても、スクール側は損しない仕組みになっていたりします。損をするとしたら仕組みを考えればわかりますが、生徒側のみです。

▼無料プログラミングスクールで生徒にありがちなパターン

  • 転職できなくて、授業料を払うだけ、スキルは身につかないという結末の人が多いと思うので、おすすめしない。
  • 転職はできても、テスターやコードを書かない保守運用の要員などプログラミングができない職種のことも多い。

テスターやコードを書かない保守運用要員として転職できた場合、そこからプログラマーに転向するチャンスはあるかもしれませんが望み薄です。
これは僕の経験から断言できます。理由はSESとして企業に常駐している場合、戦力として活躍することが求められるので、常駐先のクライアント企業からすれば、わざわざ人員を「育ててあげる」必要は全くないからです。

無料とはいえビジネスとしてやっているため、スクールに通って頑張っていても、使えないと思われた生徒はそれっぽい理由で、容赦なく切り捨てられる可能性があります。無料で受講しているわけなので、生徒側としては文句は言えません。

普通に考えればなぜ無料でプログラミングスクールに入れるのかという部分に疑問を持たなければなりません。無料ほど高いものはないということです。

とりあえず経験を積むためにIT業界に入るのはありなのか

全くIT業界とは無縁の人であれば、テスターでもいいから1年くらい経験を積めたら…と思う方もいるかもしれませんが、僕はおすすめしません。

IT業界も他の業界と同じく若い人の方が採用では有利です。プログラミングを1日でも早くある程度のレベルまで習得してプログラマーとしての就職活動をした方が絶対によいと思います。ただしテスターをしながら、プログラミングの勉強をして、できるだけ早く転職を狙うという方法ならアリかもしれません。

人生を変えたいなら独学で頑張るか、有料のプログラミングスクールに通うべき


無料でプログラミングスクールに通えるという「虫のいい話」には、それなりのデメリットがあります。もし無料のプログラミングスクールに通いたいと思う人がいるならば、デメリットも知った上で取り組んでいただきたいと思っています。

現在はYouTubeでモチベーションを保ちながら独学で学習することもできますし、有料のプログラミングスクールに入ってしっかりした企業に就職できれば年収は上がるので簡単にスクール費用は回収できます。

有料のプログラミングスクールに興味が有る方は「現役エンジニアがおすすめ! 転職できるプログラミングスクール」の記事もどうぞ。年収が上がれば有料のプログラミングスクールもすぐに投資した金額は回収できるはず。

独学の場合も本を買う費用や、ドットインストールやUdemyで少額の課金をしてみるなどの投資はした方が効率よく勉強できます。
無理に無料で学ぼうとせず、適切にお金をかけることも大事ではないでしょうか。

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