未経験でWeb制作会社に入る時にサーバー・ドメイン管理はどれくらい知識が必要なのか
本記事では、未経験からエンジニアを目指し、Web制作会社にコーダーで入社するためにサーバー知識はどれくらいあった方がよいのかについて、僕が未経験からWeb制作会社に入社した際の経験をもとに、解説します。
本記事の内容
- 未経験でWeb制作会社に入る時にサーバー・ドメイン管理はどれくらい知識が必要なのか
- その後のサーバー関連の学習ロードマップ
本記事を書いている僕は、エンジニア歴が約4年で、未経験からでもWeb制作会社では約600社のサイトが入っている専用サーバーの管理をひとりで行っていた経験があります。
本記事を読むことによって、未経験の初心者がWeb制作会社に入るためにどれくらいのサーバー知識があるとよいかの判断基準ができるようになると思います。
未経験でWeb制作会社に入る時にサーバー・ドメイン管理はどれくらい知識が必要なのか
未経験からエンジニアを目指している方は、HTML・CSS・JavaScript・PHP・WordPressまではできるようになっている方が多いと思います。その後にWeb制作会社に入社したいと思った時に、サーバーの知識はどれくらい必要なのかということを解説します。
結論からいうと、サーバー知識はそれほど必要なく、レンタルサーバーの操作ができるレベルであれば問題ありません。わからない時はググって調べながら解決するだけです。
サーバー知識はあったら役に立つ程度だが、一通りはできた方がいい
「ドメイン取得の方法」や、「レンタルサーバーの操作」は一度経験すると、案外簡単だなと思うはずです。
Web制作会社に入社できた場合、運がよければ入ってから先輩社員に教えてもらえるかもしれませんし、最初は本当にHTML&CSSのコーディングのみしか、対応しない場合もあるため、会社によって様々であり、入社時には全くサーバーの知識がなくても問題がない企業もあると思います。
ただ、どちらにしろ、いずれはサーバーの基礎知識は必要になるため、早めに覚えておくとベターです。プログラミングの基礎も重要なのでこのあたりの優先度は、自分の学習状況により変わるかと。
サーバー知識は入ってから覚えれえばOKとも言えますが、入社直後はHTMLやCSSでさえ、「あんなに勉強したのについていけない」となることが多いと思うので、それ以外のことを勉強する余裕がないと思います。
1度はサーバーにホームページ設定するくらいはしておいた方がいい
Web制作会社への就職を希望するなら、一度でもドメインやサーバー契約を自分でして動かせていれば全然違うので、サーバーにホームページのデータを設置した経験がなければ、一度は試してみることをおすすめします。1日あればできるはずです。
もしこれから就職活動をする方は、行動することが最優先なので、一通りサーバー設定をしてみて、何となくしか分かっていなくてもいけるとなった段階で、採用募集に応募はした方がよいと思います。そうでないといつまで経っても応募できません。
完全に理解するではなく、一度経験してみたくらいでサーバーについては問題ないかと。
Web制作会社で必要になるサーバー関連の知識
Web制作会社で必要になる知識は以下の通りです。
- ドメイン取得ができてDNSの向きを変更できる(ほぼ必須)
- レンタルサーバーでDNS設定ができる(ほぼ必須)
- レンタルサーバーにFTPを使ってファイルのアップロードなどができる(ほぼ必須)
- ドメイン移管ができる(入社後でOK)
- メールアドレスのPOP・SMTP・IMAP設定を理解している(入社後でOK)
これらについては、操作は簡単だけど、知識はきちんとあって理解ができており、間違えなく設定ができるかという意味です。
サーバー関連ではトラブルがつきものなので、本質的なことをわかっていないと、トラブル時に対応ができなくなる可能性がるので、基礎知識はけっこう大事です。
それでは順番に解説していきます。
サーバー管理に必要な知識
必要なサーバー関連の知識
- ドメインとサーバーの関係性の理解
- DNS設定
- FTPソフトの操作
Web制作会社の場合、通常は自社でサーバーを借りていることがほとんどだと思います。
エンジニアであればLinuxをCUI(黒い画面)で操作するのが普通ですが、Web制作会社だと多くの場合はレンタルサーバーと同じような操作でサーバー管理ができることが多いと思います。VPSや専用サーバーを借りている会社であっても、「Plesk」というGUIのツールが入っていたりして、初心者でも操作できるようなことが多いです。
操作しやすいインターフェースになっている理由は、デザイナーなどがサーバーを操作するケースもある(画像の差し替えなど)し、コーダーも入れ替わりが激しいこともあるため、初心者でも操作ができるようにしておくことが必要なためです。
さらにサーバー会社のサポートに有料で入っているケースも多く、わからないことは電話やメールでサーバー会社の人に問い合わせして解決できることもあります。僕がいたWeb制作会社の1つでは手厚いサポートが受けられるプランを購入していたため、よく利用していました。
初心者でもレンタルサーバーを操作できる知識レベルは必要
未経験の初心者がWeb制作に入社する際は、レンタルサーバーの操作は最低限できる必要があります。
DNS(ドメインネームサーバー)や、ドメインやサーバーの関係性と基本的な仕組みまでは理解していないと少々厳しいかと。
目安としては、自分でドメインを取得して、自分でレンタルサーバーを借り、設置してみることをオススメします。WordPressでブログを作ってみるとかでもいいかもしれません。
FTPについては、FileZillaなどのFTPソフトを使えるようにしておいた方がよいです。操作はググればすぐに覚えられます。また大手のWeb制作会社の場合はFTPは使わずGitなどを使っている可能性もあります。
自分でも1度は試してみることが重要
1度もサーバーやドメインの操作をしていない場合、少額で試してみる方がよいと思います。
もし安く試したい場合は、ドメインならムームードメインやお名前ドットコムなどでキャンペーンで安いものを購入し、レンタルサーバーもXFREEなどの無料レンタルサーバーなどを借りて、試しに設定してみるのがオススメです。試すだけなので、ドメインなどは解約する(1年後の更新はしない)前提でよいかと。
メールアドレスの設定知識もある方がベター
必要なメール関連の知識
- POP、SMTP、IMAPの理解
- メーラー(メールソフト)へメールアドレスの設定
メールアドレスの設定も理解しておくほうがベターです。これは後回しで入社してからでもOKです。
通常はクライアントとなる会社では1人に付き、1メールアドレスが与えられていることが多いので、メールアドレスを発行する必要があります。クライアントが別にシステム管理をしている大手ではない限り、Web制作会社側でメールサーバーの設定もすることになります。
これはレンタルサーバーで独自ドメインのメールアドレスを自分で設定できれば問題ないレベルになります。可能であれば、自分で独自ドメインのメールアドレスを作り、スマホやPCでメーラーの設定をして、テスト送信・受信できるところまで確認してみると理解が深まります。
POP、SMTP、IMAPの理解は必須となります。もしこの言葉を聞いて分からなければ、どういったものかは知っておいた方がよいです。
サーバー側のメール設定はマニュアルを見ればすぐできるはずですが、クライアント企業の従業員が使うPCやスマホへの設定も知っておかなければなりません。このあたりはもしやることになった時は、ググりながら調べる感じです。
ちなみにLinuxサーバー上にメールサーバーを立てるなどはある程度の知識が必要で、初心者の素人ができるレベルではありませんので、もしそういう必要性があって社内に対応できる人がいなければ専門会社に外注することになると思います。大きい会社であればサーバー管理ができる人がいたりしますが、中小のWeb制作会社ではコーダーがサーバー管理までやることは多いと思います。あくまで個人的な感覚です。
ドメイン移管の知識も必要になる
Web制作会社で他によくあるのが、ドメイン移管です。ドメインの管理者を変更する手続きがドメイン移管です。
ドメイン移管とは
具体的には、例えば以下のようなケースです。
↓
・A社のホームページはWeb制作会社のX社が制作していて、A社のドメインもX社名義で管理しているとします。
↓
・そこにWeb制作会社のY社がA社に営業をかけて、A社はホームページをリニューアルすることになるとします。
↓
この時にA社のドメインはX社が管理しているので、Y社へドメイン管理を移管する必要が出てきます。
これが「ドメイン移管」となります。
Web制作会社は営業の人が他社からリニューアルを獲得して管理が変わることはよくあるので、Web制作会社同士もこれらは慣れています。
「.com
」や「.net
」などのドメインであれば、X社がY社にAuth Codeというコードを教えて、Y社がドメイン移管の申請をし、お互いの会社が認証手続きをするとドメインの管理がY社に移管されます。通常数日かかります。
また「.jp
」などだと少し手続きの方法が違うなどドメインごとに対応方法が異なることになります。
ドメイン移管は入社してから覚えればOK
ドメイン移管に関しては、調べて知識だけつけておき、実践は入社してから現場で覚えればOKです。
通常、個人ではドメイン移管はしませんし、ドメイン移管をするにはお金もかかり他にも色々条件があるため、試すのはできなくはないですがやる必要はないと思います。
初めての人は以下のページなどを参考にしてみてください。
» ドメイン移管(『.com』などのドメイン)
» 汎用JPドメイン移管(『.jp』ドメイン)
» 指定事業者変更(『.co.jp』ドメイン)
殆どの場合は、.comなどのドメインと同じAuth Codeを使う方法だと覚えておけばよいと思います。
その後のサーバー関連の学習ロードマップ
サーバーの知識については、Web制作会社で仕事をするくらいであれば、そこまで高い知識は求められることはありません。フルスタックのエンジニアを目指す人がサーバー知識も増やしていく感じになります。
ただサーバー知識はあった方が不測の事態に対応できるので、知識が高いほど役に立ちます。
学んでいくのは以下のような順序かと思います。
↓
・レンタルサーバーでDNS設定など基本設定ができるようになる
↓
・ドメイン移管ができるようになる(TTLの操作などまでできると尚よい)
↓
・Linuxコマンドを勉強して基本操作はできるようになる
↓
・Linuxサーバーの仕組みを学習して、自分でローカルでLinuxサーバー構築ができるようになる
↓
・自分でVPS(仮想専用サーバー)を借りてサーバー構築し、VPSでサイトを運用できるようになる
※OSはCentOSかUbuntuのどちらかがよいと思います
↓
・AWS(アマゾンウェブサービス)のクラウド環境でサーバー構築ができるようになる
※EC2、S3、VPCやロードバランサー設定など…
とりあえず、Web制作会社に入るなら2番目の「レンタルサーバーでDNS設定など基本設定ができるようになる」までできるようになれば問題ないと思います。仮に知識がなくても入社後に猛勉強するという感じであれば問題はありません。
フロントエンドエンジニアを目指すならVPSくらいまでできるとよい
もし今後さらなるレベルアップをしたい場合、VPSの構築ができるレベルであれば、今後フロントエンドエンジニアになりたい場合も最低限の知識として十分かとは思うので、まずはVPSの構築ができるようになるくらいまでを目指すのがおすすめです。
学習におすすめの教材
僕の経験から以下のUdemyの教材がおすすめです。よければ参考にしてみて下さい。初学者からでも学べる内容になっていて僕はとても役に立ちました。
・VPSの学習
» 【3日でできる】はじめてのLinuxサーバー構築入門(CentOS 7・PHP 7・Docker対応)
・AWSの学習
» AWS:ゼロから実践するAmazon Web Services。手を動かしながらインフラの基礎を習得
まとめ
Web制作会社で使う知識は、ドメインを取得&設定し、レンタルサーバーにDNS設定ができるレベルがあれば、とりあえず入社時の知識としては十分かと思います。
Web制作会社で覚えておきたいサーバー知識
- ドメイン取得ができてDNSの向きを変更できる(必須)
- レンタルサーバーでDNS設定ができる(必須)
- レンタルサーバーにFTPを使ってファイルのアップロードなどができる(必須)
- ドメイン移管ができる(入社後でOK)
- メールアドレスのPOP・SMTP・IMAP設定を理解している(入社後でOK)
ご参考になれば幸いです。
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