Written by TSUYOSHI

ホームページの制作コスト(費用)に対するリターンの考え方

WORK ホームページ制作

ホームページを作りたい人「ホームページを作りたいけど、提示金額が高いのか安いのか分からない… ホームページを作ってどうすればよいのか分からない…」

こういった悩みにお答えします。

本記事では、企業やお店がホームページ制作を発注する際に、料金は安いのか高いのか、ホームページ作成によってどれくらいのリターンがあるかの考え方や目安について解説しています。

この記事を書いている僕は、エンジニア歴は4年で都内でWeb制作のフリーランスをしています。Web制作はもちろんのこと、過去には事業運営に関わってマーケティング等をしていた経験があり、ゼロから1.5億円/年の事業立ち上げを主導して作った経験、ホームページの売上を1年で2.5倍にした経験などがあります。

ホームページを新たに制作する時に、そのホームページを作ること自体が目的になってしまっている方が多いように思います。ホームページは作ってからがスタートであり、その後の運用をしなければ効果は限定的になってしまいます。そこで本記事では以下のことを解説していきます。

本記事の内容

  • ホームページの制作コスト(費用)に対するリターンの考え方
  • ホームページの制作費用以外にはどういった費用が必要なのか
  • ホームページの活用方法
  • どういった運用コストがあるのか

本記事を読むことにより、ホームページ制作にはどういった費用が必要で、リターンの見込みを予測する方法が分かるようになります。

ホームページの制作コスト(費用)に対するリターンの考え方

ホームページ制作は投資コストとそれによる利益のリターンを考えて決める

ホームページの制作・運用にかかるコストが、それに見合うだけのリターンがあるかどうかを予測することで、そのホームページを制作する意義があるかどうかを考えることができます。もちろん、完璧に予測することはできないので、いくつかのパターンを考え、マイナスになるリスクを考えた上で、決めなければなりません。

投資コストと収益のリターンはどう算出すればよいのかを考える

単純に考えると、投資するコスト(ホームページの制作費・運営費)よりも、リターンが多くなればよいわけです。またどれくらいの期間で、どれくらいのリターンが見込めるかの時間的な軸でも考えなければなりません。

まずは投資コスト(ホームページ制作費用&運用費用)と、収益のシミュレーションを考える必要があります。

どれくらいの成約が見込めるかを算出する

成約した時の売上単価を見積もる【成約単価】

自分の運営しているビジネスで1件成約すると、いくらの利益が出るかを算出します。
いろいろなパターンがある場合は、Aが売れると利益◯万円、Bが売れると利益◯万円など、ざっくりでいいので平均的な収益額のパターンを作ります。

月額費用でサブスクリプションで売れるサービスならば、どれくらいの期間継続されるかの算出(専門用語でライフタイムバリューと言います)をし、それでシミュレーションのパターンを作ります。これで1回あたりの成約による利益が見積もれるようになります。

1回のお問い合わせで何件売れるかの成約率を算出する【コンバージョン率】

お問い合わせの数と成約する数の比率を予測します。専門用語でいうと「コンバージョン率」(成約率)です。お問い合わせ10件あれば、1つの商品・サービスが売れるなら成約率は10%であり、10件のお問い合わせがあれば売上◯万円が出るといった感じで考えます。

お問い合わせが5件で1商品売れるとき、お問い合わせが10件で1商品売れるときなど細かくシュミレーションしていきます。

売上の見込みを算出する

最終的にはどれくらいのアクセスがあれば、どれくらい売れるかのシミュレーションをします。「ページアクセス→お問い合わせ→商品・サービスの成約」で逆算する感じです。

例えば、以下のように考えます。

お問い合わせ2件で1つの商品が売れるとします(成約率は50%)
 ↓
ホームページへのアクセス50アクセスで1件のお問い合わせがあるなら、100アクセス集めるとお問い合わせが2件くる見込みとなります。
 ↓
つまり100アクセス集めれば1つの商品が売れることになります。

100アクセス集めるためにどれくらいのコストがかけられるかが予算となってきます。

いくつかのパターンがあると思うので、シミュレーションを何パターンも作って考えます。そこから、「一番売上が良いパターン」「平均的なパターン」「一番売上が悪いパターン」などを作ります。

ホームページを作る費用、ホームページを運用する費用、見込める売上から、ホームページを作ることによってどれくらい売れるかをシミュレーションして、ホームページにかけられる費用、回収できるのかなどを考えるのがよく、おすすめです。

ホームページの制作費用以外にはどういった費用が必要なのか

最低限必要なのは以下の3つです。

・ホームページの制作費用
・ドメイン費用(年間契約の費用)
・サーバー費用(月契約の費用)

ホームページの制作費用はホームページ自体を作成する費用となります。
ドメイン費用・サーバー費用は運用していく時にかかる費用でホームページを公開する限り、ずっと必要な費用となります。

また必要に応じて、以下のような費用がかかってきます。

・メンテナンス費用
・マーケティング費用

メンテナンス費用は、ホームページを運用していく上で何か問題が起こった時に対応をしてもらう費用です。毎月、月額固定の支払いをしてメンテナンスをしてもらう契約を結んだり、問題が起こった時に都度支払う、もしくは知識があれば自分で対応するなどが考えられます。

マーケティング費用は、プロにホームページの集客を依頼する費用です。
例えば、SEO対策(検索からの集客対策)、Web広告の運用(広告費を払って集客する方法)、SNSマーケティング(Twitterやインスタグラムを運営してブランディング・集客する方法)、MEO対策(Googleマップからの集客対策)など色々あり、基本的には広告を出しての集客になるため、ある程度の予算が必要になってきます。

よってホームページを作成する場合は、以下の5種類の費用が大きく分けて必要になり、どこにどれだけの予算をかけるのかを考える必要があります。

・ホームページの制作費用
・ドメイン費用(年間契約の費用)
・サーバー費用(月契約の費用)
・メンテナンス費用
・マーケティング費用

ホームページの活用方法


ホームページは作っただけでは、効果が限定的です。

ある程度の良質な記事が多く入っているサイトは別ですが、作って放置しているホームページは、つぶやきをしないTwitterや、写真投稿をしないインスタグラムのアカウントと同じです。運用をすることによって、ホームページは効果を発揮できます。

名刺代わりに紙媒体と組み合わせて運用する

ホームページを作成したら、名刺やお店のチラシなどにホームページURLを記載できるようになります。これだけでもブランディングになり、信用力は高くなります。紙媒体と連携する場合はスマホから簡単に調べられるようにQRコードをつけたりするのも有効的です。

Webの広告媒体などに情報を載せている場合にも、そこに自社のホームページの情報を載せることによって、さらに自社のサービスや商品について詳しい情報を見てもらえる可能性が高くなり、発信力を高めることができます。

ホームページは24時間365日活動する営業マンのようなもの

ユーザーがお店の名前を検索して検索結果で上位表示できるようになれば、近所のお客さんが営業時間や商品情報をスマホなどから簡単に調べられるようになり、来客する方が増える可能性もあります。

広告運用やSNS運用で集客の効率を上げる

検索エンジン経由の流入予測はできるが、予定どおりに進むかどうかはプロでも予測が難しい

初めてホームページを作成して、毎日記事を増やしていくような施策をした場合、半年くらい経つとポツポツと少しずつアクセスが集まり始め、場合によっては1年くらいで狙ったキーワードで上位を取れてホームページへの流入を増やすことができるようになるかもしれません。

ただ昨今はGoogleの検索エンジンのアルゴリズムの変化も早く、競合が強くなっている傾向があるため、思い通りにいかないことは多くなってきています。

TwitterやインスタグラムなどのSNSでファンを増やし、ホームページへの流入も増やすなど、SEOに頼りすぎない集客が重要になってきています。SEOの難易度はどんどん上がってきているため、検索エンジン経由のみに頼る集客は現実的ではなく、SNSなども利用した集客をすることが必要になってきています。

SNSの運用

どのSNSに力を入れるかは重要な戦略になってきます。すべて活用できればベストですが、労力がかかるため、資金や労力がないとできないため、媒体を絞って始めて徐々に拡大していく方がよいと思います。

SNSは基本的には、定期的な発信が必要になってくるため、自分で運用する場合は作業時間の確保が必要となります。色々な媒体があるので代表的なものを紹介します。どれから始めていいか分からない場合は、まずはTwitter運営から始めてみるのがよいかと思います。

Twitter

Twitterはバズが起きやすく、情報が拡散されやすいのが特徴です。ITリテラシーが高いユーザーも多いのが特徴です。ホームページとの掛け合わせでの集客でも効果を大きく発揮できる媒体なので、力を入れるとよい媒体です。

デメリットとして悪いことや批判なども拡散されてしまい、「炎上」が起こりやすいためそのあたりも考慮した運用が必要になってきます。

Twitter広告を打つことができますが、個人的には広告で高い効果を出すのが難しい媒体と感じており、Twitterアカウントの運用自体に比重を置いた方がよいと思っています。

Instagram(インスタグラム)

写真がメインの媒体で、写真映えするサービスに向いています。飲食店なら料理の紹介、ネイルサロンならネイルの紹介と言った感じで、商品やサービスを写真で上手く訴求するのがコツです。

物販をしているお店などの場合はビジネスアカウントにしてInstagramのショッピング機能の審査が通れば投稿から商品ページへダイレクトに誘導することもできるようになります。またInstagram広告を打つことが可能です。

YouTube運用

動画で紹介する媒体なので訴求力が高いですが運用も難しい媒体です。エンターテイメントの要素が強いため、ファンを増やすにもコツが要ります。最近は芸能人などが参入してきたため、ユーザーの獲得も難しくなってきています。

テレビからYouTubeへシフトしてきているため、チャンスが大きい媒体ですが、動画のコンテンツを作成するためには他の媒体よりも大きな労力を必要とするため、外注する場合はコストがかなり高くなります。またYouTube広告(TrueView)を打つことが可能です。

Facebook運用

Facebookページを作成して、運用できますがあまりプレゼンスは高くない印象があるので、優先度は低くしてよいと思います。ただInstagramのショッピング機能の利用時にFacebookページが必要になってくるのでFacebookページの作成はしておく方がよいと思います。

Facebookはユーザーの年齢層が高めなため、ターゲットとするユーザーの年齢層によっては検討してもよいかもしれません。

またFacebook広告を打つことが可能で、上手く運用すると費用対効果が高い媒体だと思います。

その他の運用

MEO(Googleマップ対策)

Googleマップでの上位表示をするために、Googleマイビジネスへ登録し、運用する方法です。

Googleマイビジネスは無料で登録が可能なので、必ずやるべきです。1度登録すれば十分ではありますが、更新を続けた方が効果が高くなります。Googleマイビジネスでの見せ方により集客への効果は大きく違ってきて、最近ではMEO(Map Engine Optimization = Googleマップの地図エンジンに対する最適化)対策を専門事業者へ依頼することが多いです。

LINE@・メールマガジン

LINE公式のアカウントを無料で作ったり、メールアドレスを取得するなどして、顧客へ定期的に有益な情報を提供し、そこから自社商品の販売へつなげる手法です。定期的な情報発信が必要になってきますが、運用が成功すると大きな売上につなげることができます。

TikTok

10代・20代など若い世代に動画でアピールしたいならこの媒体を使うのもありです。また広告を出稿する際に今までは代理店経由でなければならなかったので100万円単位以上の予算がないと出稿できませんでしたが、2020年10月から「TikTok for Bussiness」が公式に使えるようになり、これから伸びる媒体として期待されています。

Web広告を運用する

ホームページを制作したばかりの頃は、検索エンジンからの流入はほぼ見込めないため、広告運用によって集客をすることがおすすめです。

Web広告には色々な種類がある

Web広告には大きく分けて2つあり、キーワード検索結果に表示する「リスティング広告」、バナーなどで訴求する「ディスプレイ広告」があります。YouTubeに出す「TrueView」など動画広告も最近では市場が大きくなってきています。

自分が集客したいユーザー層やサービスの種類、予算などによって、広告を出稿する媒体を選ぶことになります。一番簡単なのは、GoogleやYahooの検索結果などに出すリスティング広告です。キーワードと広告文によって自社サイトなどに誘導するだけなので、簡単に始めることができ、効果も見えやすいのが特徴です。

広告運用するにはどれくらいの費用が必要なのか

これは業種などによって全く違うので一概に言えない部分があります。多くのWeb広告は1クリックでいくらというように、クリック単価を決めて出稿する場合が多いです。1クリックで10円程度で集客できるものもあれば、1クリックで1000円を超えるキーワードもあります。

最初に述べたように、どれくらいのアクセスを集めればどれくらいの成約が見込めるのかなどを参考に、損益分岐点を導き出し、戦略を練る必要があります。

Web広告運用は個人でも可能だが、それなりの知識が必要

広告の運用は個人が調べながら運用することも全然可能です。ただしそれなりの知識が必要になってくるため、個人で運用する場合はかなり勉強しながら進めなければなりません。

自分で運用できるとコストカットにもつながりますし、細かい部分まで把握できるようになる反面、時間が取られるため、本業に集中したい場合はプロに依頼してしまう方がよいと思います。

広告運用には試行錯誤の繰り返しが必要

Web広告の運用では以下のような作業が必要になってきます。

  • 広告媒体の選定
  • どういった戦略で広告出稿するかの戦略を考える
  • 広告を出稿するための初期設定・審査を通す
  • 広告を運用しながら予算と効果を見ながら調整して運用する

Web広告はある程度の最適化ができてくると放置しても上手く回りだすのですが、しばらくすると効果が落ちてくるのでテコ入れが必要になってくるので、メンテナンスは常に必要になってきます。

最近はフリーランスの個人でもWeb広告の運用をしている人は多くなってきているので、依頼して小さく試すところから始めてみてもよいと思います。

どういった運用コストがあるのか

運用コストを理解する

ホームページを運用する上で、どれくらいの費用がかかってくるかを把握する必要があります。ホームページは作って終わりではなく、少額ですが運用には費用がかかってきます。

ドメイン費用・サーバー費用を把握する

先述したとおり、まずドメイン費用・サーバー費用がいくらかかかるのかを考えます。ホームページ制作会社に依頼する時に確認すべきで、自分で契約する時はドメイン代は1,500〜3,000円/年、サーバー代は1,000〜2,000円/月くらい掛かると思っておけばよいかと。

メンテナンス費用

保守の費用としてメンテナンス費用を考えておくとよいと思います。何も起こらなければ不要かもしれませんが、もし何かトラブルがあって自分で対応できない場合はホームページ業者へ依頼が必要です。毎月定額払ってお願いするケースや、問題発生時に都度依頼をするケースなどがあります。

ホームページ制作業者によっては、ドメイン・サーバー代とメンテナンス費用を合わせて毎月◯万円という提示をしてくる場合もあります。

メンテナンス費用を把握する

メンテナンスコストを考えるのも必要です。ある程度、詳しい知識を持っていれば別ですが、ホームページ制作を依頼する場合は、制作をした会社や個人、もしくは別の業者に依頼することを考えておかなければなりません。

車や家を所有しても、壊れたりして修理が必要になるのは当たり前で、ホームページも同じです。メンテナンスは必ず必要になってきます。例えば車を買ったら定期的なメンテナンスが必要なのと同じように、ホームページもトラブルが起こった時に対応するためにメンテナンスが必要になってきます。

セキュリティにも配慮が必要

また昨今ではセキュリティ対策が必要なケースもあります。インターネットの世界は進化が早いのでセキュリティ対策も常に最新の動向を追い続ける必要があります。ホームページを制作した時は問題なかったことが、時間の経過と共に新たに対策をしなければならない場合があります。

トラブル発生時には依頼が必要なこともある

ITに詳しかったりしてリテラシーが高いと、ドメイン代とサーバー代さえ払えばOKと思っていたりしますが、トラブルが起きた時にすぐに解決できるかどうかは結構重要です。サーバーがダウンして動かなくなったりして、すぐに対応が必要なケースもあれば、一部の機能が正常に動作しないけど緊急性はないという場合などがあります。

例えばトラブルが起きて、エンジニアが10分で直したとしても、未経験の素人が対応しようとしたら1ヶ月かかるなんてこともあります。エンジニアはそれまでの経験の積み重ねで、知識や実務経験が豊富にあってすぐに対応ができるわけです。

ホームページの保守契約をしておく方がおすすめ

毎月の保守費用をケチってしまう人がいますが、毎月の保守契約をしていなかったとしても、問題が起きた時に対応してもらえる人材の確保やつながりは持っておいた方が絶対によいです。

例えるなら、弁護士の顧問契約などと同じで、問題が起こった時にすぐに対応してもらえる体制を整えて安心を買う感じです。顧問契約をしていて問題が起こらないということは逆によいことであると僕は思います。ホームページの保守も同じで、毎月の保守費用を払っていたとして何もしていなくてもそれは「問題が起こっていない = もとの作りがしっかりしている」とも言えます。

いざという時にきちんと対応してくれるかどうかが判断になるかと思いますが、ご自身ですべて対応できる知識を持っている人でない限り、僕は毎月の保守契約をケチらない方がよいと考えています。もちろん、法外な保守費用を支払う必要はなく、そういったところとは契約を終了すべきだとも思います。

ホームページにも寿命がある

ホームページの寿命

ホームページは作った後に細かく改修を繰り返してよくしていく場合もありますし、一旦作ったらあまり変更しないこともあります。ただ1度作ったホームページもそのままだとデザインが古くなってしまうこともあるため、例えば5年くらい経ったら作り変えるというような考慮も必要になってきます。

5年程度が経過したらリニューアルを考えてもよいかもしれません

ホームページは10年でも20年でもそのまま使い続けることは可能だとは思いますが、どこかで作り直すということを行った方がよいと思います。決まった寿命はなくいつまでも使おうと思えば使い続けられます。例えば、テレビも5年で買い換える人もいれば、10年以上使い続ける人がいるのと一緒です。ホームページの寿命はあって無いようなものなので、運営する人次第となります。

ホームページの売上が好調な場合はさらに売上を伸ばすために、1年ほどでリニューアルに着手する人もいるくらいです。

このホームページの寿命も考えて、何年間使うのかを考慮して、費用対効果を導き出すとよいかと思います。

まとめ

ホームページは制作するだけでなく、運用も重要になってくるため、制作時の費用だけでなく運用の費用も含めて、総合的にどれくらいのリターンがあるかを考えて発注することが重要です。

またホームページを作る場合は、ホームページ制作業者にぼったくられないためにも、知識がある方が費用は安く済ますことが可能です。

ご参考になれば幸いです。

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