フリーランスエンジニア案件でエージェントの手数料はどれくらい? 【両方を経験した僕が内情を暴露します】
フリーランスのエンジニア「エージェントの手数料はどれくらいなんだろう? もっと自分の単価を上げたいけど、どうすればよいのだろう?」
こういった悩みにお答えします。
本記事の内容
- エージェントの手数料と仕組みについて紹介します
- 単価を上げるならまずは商流にこだわるべきです
- エージェントのマージンがなくても単価が上がることはほぼない
この記事を書いている僕は、エージェントとエンジニアの両方を経験しています。
エージェント企業で営業として働いたことがあり、現在はフロントエンドのエンジニアとして働いており、エージェント経由でフリーランス案件で働いた経験もあります。
エージェントの手数料と仕組みについて紹介します
フリーランスのエンジニアがエージェントを通して、案件を獲得する場合はエージェントが毎月の報酬額からマージンを取ります。
- エンジニア側:エージェントを利用する際は無料で利用でき、営業しなくてよいメリットがある
- エージェント側:案件が決まったら成功報酬として企業から払ってもらう単価から、自社の利益となる額を差し引いてエンジニアに渡すことにより、手数料(マージン)が得られる。
▼基本となる契約の構成
※エンジニアが欲しいから探してもらう
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エージェント
※マッチングの対価として毎月の支払いから手数料を差し引く
(エンジニアの契約が継続する限りマージンが入り続ける)
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エンジニア
※無料で仕事を探してもらえる
(面談を受けるだけで営業の必要がない)
エージェントの手数料(マージン)はどれくらいなのか?
企業によってマチマチですが、エンド直、元請け直の案件であれば、エージェントの手数料は20%〜30%くらいが一般的です。この取引の流れを商流と呼んだりします。
▼実際の例
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エージェント 20〜30万円を毎月差し引く(20〜30%)
↓
エンジニア 70〜80万円を毎月もらう
フリーランスなら案件の商流を意識することは必須
エージェントは、クライアントから求められたスキルのエンジニアを自社で探しきれない場合、他のエージェントにも案件情報を流してエンジニアを探します。
間にエージェントが入るほど商流が深くなり、合計したエージェントのマージンは上がることになります。
イメージとしてはだいたい以下のような感じです。(複雑になるので消費税は考慮しません)
↓
A社 (エンド直):70万円でスキル○○のエンジニアが欲しい(利益30万円)
↓
B社 (2次受け):60万円でスキル○○のエンジニアが欲しい(利益10万円)
↓
C社(3次受け):50万円でスキル○○のエンジニアが欲しい(利益10万円)
↓
D社(4次受け):45万円でスキル○○のエンジニアが欲しい(利益5万円)
↓
E社(5次受け):40万円でスキル○○のエンジニアが欲しい(利益5万円)
↓
末端のエンジニア:40万円で仕事を受注
※何とエージェントの合計マージンは60万円、エンジニアは40万円という自体に!
エンジニアはA社〜E社のどのエージェントと契約できるかで、エンジニア自体の報酬が変わってきます。
仮に上記の例でE社経由でエンジニアがオファーを受けると、常駐先となるエンドクライアントの支払いが100万円で、エンジニアには40万円しか入らず、マージン60%(A〜E社の利益)となります。
問題はクライアント(エンド)は100万円払っているから相応のクオリティで対応して欲しい希望がありますが、実際にアサインできているのは40万円のスキルのエンジニアということになります。
僕がエージェントの立場で実際に営業として携わっていた経験、エンジニアとして案件を探した時の経験から、このような構造を身を持って体験しています。何年もの間、この構造は変わっていません。
ちなみにクライアントが旅行会社などで全く開発に関係ない会社の場合は、1次受けの開発会社を元請け企業と呼んだりします。
↓
A社(クライアントから開発案件を受けた開発会社:元請け)
具体的に僕がフロントエンドのエンジニアとして「5次受け案件」の面談に行った時の例をご紹介します。
- エージェントに案件を紹介されて面談を取り付ける
(単価とだいたいの仕事内容はわかっている) - 面談直前まではエンドの企業名はわからない。
- 面談当日にエンド企業の最寄り駅でエージェントからエージェントへ4回紹介され、最上位のエージェントを紹介されて、やっとその時点で間に4社入っていることがわかる。
- エンドは有名企業でReactの案件、面談者が何人かいてグループ面談だった。
この案件の結果については、面談競争を勝ち抜いてオファーが来たものの、さすがに断わりました。エンド企業は僕がオファーを断った理由のひとつが、商流が原因であることがわからなかったと思います。
単価を上げるならまずは商流にこだわるべきです
現在エンジニアの僕はこの商流の深さについて、かなりこだわっていて、エンド直〜2次受けくらいを目安に案件を探すようにしていて、できる限りエンド直案件を優先します。
これは僕がエージェントの立場だった時も、エンジニアとして現在の立場でも、両方の立場を経験したことから以下のことがわかっているからです。
間に余計なエージェントが挟まると、エンジニアとクライアント企業間の連絡をとるときに、伝言ゲームのようになり、連携に無駄が生じる。
▼エージェントA社〜C社がいる場合の例
エンジニアからエンド企業への連絡: エンジニア → C社 → B社 → A社 → エンド企業
※間のエージェントは商流を飛ばされることを恐れて絶対に、直接上位の会社と連絡を取らせるということはしません
「エンド企業が支払っている額」と「エンジニアがもらっている額」に差が生じ過ぎて、認識の齟齬が大きくなり問題が起こりやすい
・エンジニア:「報酬額が少ないのにハイレベルで責任重要な仕事を任されすぎ、割りに合わない」
そして間に入っているエージェントの仕事はだいたい以下のみになります。
「毎月請求書の発行をする」
お分かりの通り、間に入っているエージェントは最初のマッチングをしただけで、後の仕事はほぼ無意味で存在価値がないことがわかると思います。
僕はこの状況を知っているので、可能な限り2次受け以上を探すようにしています。
【注意点あり】選別しつつ多くのエージェントと取引実績を作るべき
エンド直の案件を探すには、そのエージェントしか持っていない案件を取りにいくことが重要で、そのためには多くのエージェントに登録しておくことがベターです。
しかしデメリットもあり、むやみにエージェントを増やすと、やり取りの手間が増えるだけで大変になりすぎるのでそこは注意が必要です。
僕の経験ですが困ったエージェントに当たったことがあります。
僕がメール連絡を希望していて電話はしないでくれと言っても、しつこく電話営業し続けてくるエージェントがいました。このエージェントの色々な担当者から電話が時折きて、僕は仕事に支障をきたしたことがあり、携帯の電話番号を変えたことがあります。
僕の経験から、ある程度の直案件を持っていて、必要な時以外は電話してこないエージェントを紹介している記事があるのでよければエージェント探しの参考にしてみてください。
※すでに商流に問題がないエンジニアが単価を上げる方法については別記事で紹介予定です
エージェントのマージンがなくても単価が上がることはほぼない
ここまで紹介すると、「エージェントなしで発注企業と直接契約できれば単価を上げられるのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかしエージェントがいるからこそ、高単価が実現できているという現実があります。
もしエージェントなしで直接契約できるとしても、単価が上がるということはほぼないはずです。
企業がエージェントと契約する以下のようなメリットがあるからです。
- もしエンジニアが急にいなくなった場合などに、エージェント経由だと代わりの要員をすぐに割り当てるなどが可能。
- 企業から直接エンジニアに言いにくいことをエージェント経由で伝えてもらうことが可能。
- エージェントは契約も手慣れているので、企業側からすると契約が楽
個人との契約・企業との契約では、だいたいどの仕事においても信用力の違いなどから単価は違うものです。
エージェントが仮にいなくなったとしたら、エンジニアの単価は同じかもっと低い金額になり、企業の支払額が減るだけだと思います。
企業間で営業等のやり取りを経験したことがある人ならば、このあたりはよく理解できると思います。
まとめ:よいエージェントと多くつながっておくと手数料の問題は解決できる
- エージェントの手数料(マージン)は20〜30%程度であることが多い。
- 複数のエージェントが入るとエンジニアの取り分が減るので商流はできるだけ浅くする
- エンド直の案件を多く持っていて自分にあったエージェントと多くつながっておくとよい
ご参考になれば幸いです。
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