Written by TSUYOSHI

【体験談】職業訓練を受けてエンジニア転職はできます

WORK

本記事では、職業訓練校卒で現在はフリーランスのエンジニアをしている僕が、職業訓練校を卒業するレベルでも就職はできるのかどうかを解説しています。

僕は職業訓練校を卒業して、そのおかげで現在はフロントエンドのエンジニアとして、フリーランスで働くことができています。

その僕が誤解を恐れずにいうと、過去に企業の採用担当をしていた時、職業訓練学校を卒業した人は落ちこぼれで採用しない方がよいと思っていました。職業訓練学校に通ってこの考え方は変わりましたが、採用担当者で以前の僕と同じ考え方を持っている人はかなり多いと思います。

本記事の内容

  • 【体験談】職業訓練を受けてエンジニア転職はできます
  • なぜ職業訓練校卒の僕は40歳手前で就職できたのか
  • 職業訓練校では就職のサポートをしてくれるが…
  • 職業訓練校卒でも採用の選択肢に載るための方法
  • タイミングが合わなければプログラミングスクールを検討するのもあり

実際に職業訓練校卒で現在はフリーランスのエンジニアをしている僕が経験を元に、職業訓練を受けて卒業したらエンジニア転職はできるのかということについて解説します。

【体験談】職業訓練を受けてエンジニア転職はできます


僕は企業で採用担当をしていた頃に、職業訓練校卒業のエンジニアは絶対に採用されない、落ちこぼれと下に見ていました。

僕はその企業で採用の窓口担当をしていた当時はエンジニアではなかったのですが、自社のエンジニアが職業訓練校卒という時点で書類審査を落としているのを見ていたために、こういった考えを持つようになっていました。

ひどい話ですが、「職業専門校卒」 = 「落ちこぼれ」 という印象でした。

再就職する能力がない人が、意味のない公的な学校のようなところで、ダラダラと時間を消費しているという印象だったからです。

その後、僕自身がエンジニアを目指して職業訓練校に行くわけなのですが、職業訓練校卒でも素晴らしい人と、やっぱりダメだなという2パターンの人に分かれるので、その話をしてみたいと思います。

実際の職業訓練学校は講師が優秀なことが多い(都内の場合)

僕の通った東京都がやっている職業訓練学校は、結論から言うと素晴らしく非常に有益でした。

まず講師は現役でもエンジニアとして活動している人(訓練校の間はやっていないですがそれ以外の期間はフリーランスとして仕事を受けたり、企業に常駐したりして仕事をしている)であり、実践に近いカリキュラムでした。

講師は公募で都度、採用しているようで現場の実務経験がある人が教えてくれる授業はかなり有益です。僕は職業訓練校に入ったら自力で勉強しまくって就職をするつもりだったので、講師が素晴らしかったことは、良い意味で大きな誤算でした。

これは実務経験をある程度積んだ今でも、同じように思っており、非常に優れた授業内容だったと思っています。

もちろん、何も分からない状態の素人から始めていたので、職業訓練校で高度なことを覚えることはできていなかったですが、基礎をしっかりと学べて、非常に理想的な学習内容だったと思います。

僕は半年で、HTML・CSS・JavaScript・PhotoShop・Illustrator・PHP・WordPressと学び、基礎は身につけられたと思います。

職業訓練学校を卒業してエンジニアになれるのか

頭がよくて、もともと素養がある人は、職業訓練校の勉強だけをしていてもエンジニアになれると思います。ただ僕が見ていた感じだと、できの良い人は基本的に自己学習をかなりやり込んでいる人が、多かったなと思います。

僕自身は覚えはよい方ではなく、普通の部類だと認識しています。僕は職業訓練校に通っていたときは、毎日、授業でやったことの復習は必ずしていたし、次の日の授業の予習も必ずしていました。

それに加えて、自分で勉強も常にしていました。Webのプログラミングなどは学習するのが楽しかったことも大きいですが、学生時代の受験勉強よりも遥かに勉強していた記憶があります。

職業訓練校は、毎日6時間弱の授業をしていて、帰宅してからも基本的には3〜4時間は毎日勉強していたので9〜10時間はやっていたのかなと思います。

失業給付金をもらいながら勉強していたので、当たり前ではあるのですが、周りを見ると勉強せずに学校外ではノンビリしている人が多い印象がありました。僕は40歳手前で年齢的にも危機感があり、必ずエンジニア就職したかったのでそれもよかったと思っています。

なぜ職業訓練校卒の僕は40歳手前で就職できたのか


未経験者採用だと、求めている求人条件の多くの場合は、20代〜30歳まで、上限が高い場合でも35歳までという企業がほとんどです。少し話が変わりますが有料・無料のプログラミングスクールは30歳くらいまでの年齢制限があることが多いですが、それだけ30代以上で未経験から就職するのは難しいことを表しています。

僕は37歳で就職できましたが、なぜなのか。

これは後から考えると分かったのですが、ある程度できれば40代くらいまでの未経験者でも採用してくれる企業があったからです。以下のような2パターンがあると思っていて、これは僕の経験からです。

・これまでの経験からディレクターに成長することを見込んだ採用
前職以前の経験値を見込まれるケースがあります。
将来はディレクターとして仕事を多く回してもらおうと思い、まずは40歳近くであってもコーダーとして雇うケースがあります。
例えば、年齢が高くても逆にそれまでの経験からコミュニケーション能力が高かったり、仕事の進捗管理など人を使うことに慣れていてディレクターとして仕事ができそうと思っているケースがあげられます。
・未経験者を積極採用して仕事を回す仕組みがある企業での採用
未経験者を上手に教育し、WordPressなどでひとりでサイト構築をできるようにして、給料は上がらないけどそこそこの給料で長く使い続けるケースです。
未経験者を育てつつ、辞めるまで使い倒すような企業であり、未経験者も経験が積めるためWinWinの関係になれることが多いです。

上記2パターンは僕が実際に就職したWeb制作会社2社のパターンになります。こういった会社に当たるためには、就職活動にて応募数をかなり多くして面接を受けまくることが必要になると僕は考えています。

以下の記事に面接の数が重要ということを書いているのでよければ参考にしてください。
» 【失敗の連続】未経験から30代後半でエンジニア転職でやったこと 【面接は数が重要】

職業訓練校では就職のサポートをしてくれるが…

就職担当者が付いてくれる

職業訓練校では、就職のサポートをしてくれる方が担当として付いてくれます。

しかし僕の経験からすると、申し訳ないですが、ほぼ役に立ちませんでした。形式的なアドバイスをしてくれるだけで、紹介してくれる企業なども自分の希望にはマッチしない感じであったためです。僕だけでなく、僕の職業訓練刻の同期の反応もほぼ同じでした。

中には役に立つ人もいるかもしれませんが、あまり期待せず、自分ひとりで就職活動するつもりで活動するのがよいと思います。

企業がスカウトにきてくれる

職業訓練校が中盤〜終盤になると定期的にランチタイムや授業終了後に、企業の採用者と軽く話をする機会が設けられます。希望者のみの任意参加ですが、企業説明会で質問や担当者の方とつながれる感じです。

僕は1度だけランチの説明会に行き、毎回来る企業のリストは全て目を通していましたが、ほぼすべてSESの会社でこれはよくなさそうだなと思うような企業が、僕の通っていた職業訓練学校では多かったです。

ちなみに僕は以前、SES関連の会社で営業をした経験があったので、この業界のことについては知識があったので、その知識をもとに判断していました。

基本的には自分で就職活動を行う

僕自身も周りの人もそうでしたが、基本的にはマイナビ転職など転職サイトを使って自分で就職先を見つけていました。

ひとり同期の方で、職業訓練学校に採用に来ていたSESの会社へ就職している人がいました。就職してから7〜8ヶ月後に会う機会があり聞いてみたところ、ずっとテスターをやっていてプログラムを書いていないとのことでした。その後も1年以上経ったあたりで聞いた話だと、プログラムは書かずに仕様書を書く日々だと聞いたことがあります。

やはりSESの会社に行くと人によると思いますが、最初からプログラムを書ける可能性は低くなるなと思っています。Web制作やWebデザイン系であれば、Web制作会社などに入社する方がプログラムを書いたり、デザインをできたりする可能性は高いので、可能な限り妥協せずに就職先を探す方がよいと個人的には思っています。

職業訓練校卒でも採用の選択肢に載るための方法


最初に言ったとおり、僕はベンチャー企業で採用をする立場のとき、職業訓練校卒の人は採用の選択肢から基本的には除外だと思っていました。

そんな僕が考える、職業訓練校卒でも採用されるための基準についてお伝えします。

もともと職業訓練校の卒業生を採用のターゲットにしている会社を狙う

未経験者を育てつつ、辞めるまで使い倒すような企業です。
給料は高くないけれども、多くの制作案件をこなせて経験が積める、未経験者雇う側がWinWinの関係になれる職場です。

ただし作業量が多く、残業代もでないような会社であるはずなので、最初はサービス残業も当たり前で時給単価はかなり低くなると思います。ただし経験を積みたい未経験者には一部の人を除いて良い環境であると言えます。

未経験からコーダーでどんどん経験は積めるため、1年以上経つと、残業代が出てもう少し給料が高く、技術的にも成長できる仕事がしたいなと思うコーダーの場合、転職を考えます。雇う側もそれを分かっているため、それを見越してまた未経験者を雇入れ、育てるということを繰り返していきます。

もともと高卒の未経験者をゼロから育てるつもりで採用しているような会社を狙う

長く雇うつもりで未経験者を雇う企業です。

こういった会社がある程度の年齢の未経験コーダーを雇う理由は、将来はディレクターになってもらい、さらに雇い入れた新人コーダーを教育してディレクションを行い、仕事を拡大してくれるような人材を求めている算段があることが多いと思います。

そして採用してもらうために必要なポイントは、ポートフォリオをしっかり作り込むことです。きちんとしたポートフォリオを見せることができれば、一定水準以上の作業はできることの証明にもなるからです。

タイミングが合わなければプログラミングスクールを検討するのもあり


職業訓練校は倍率が高く、毎月希望のカリキュラムがあるわけではありません。失業状態でないと職業訓練校の募集には応募できなく、タイミングや運で職業訓練校のカリキュラムが受講できるかが決まります。

もしタイミングが合わなく、自己投資できる金銭的な余裕があるならば、プログラミングスクールを検討するのもよいと思います。独学だと学習速度が遅かったり、挫折の可能性も高くなるため、プログラミングスクールを検討するのもよいと思います。
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まとめ

職業訓練校を卒業してもエンジニア就職は可能であることを解説しました。

ただ年齢が上がるほど、未経験からのエンジニア就職は厳しくなってくるため、職業訓練校の学習以外にも自己学習をしてスキルを高めた方がよく、就職活動の際はかなりの数をこなすことが重要になってきます。

ご参考になれば幸いです。

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